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生活クラブを取材した本の著者・小澤祥司さんインタビュー

今年3月出版した、生活クラブを取材した本「日本一要求の多い消費者たち 非常識を常識に変え続ける生活クラブのビジョン」。
5月13日(月)から配布している生活クラブの本のカタログ「楽しむカタログ 本・CD」(5月5回21週号)に掲載中です。カタログ掲載に際して、著者の小澤祥司さんから本についてお話を伺いました。

生活クラブ組合員の方は、こちらからご購入いただけます(デポー、北海道、福祉クラブ、大阪、京都、奈良、滋賀、兵庫は除く)

社会に必要なものは自分たちで作れるということを若い組合員の方にもぜひ知ってほしい

「日本一要求の多い消費者たち 非常識を常識に変え続ける生活クラブのビジョン」の著者はフリージャーナリストの小澤祥司さん。小澤さんと生活クラブのご縁は今から30年ほど前だそう。生活クラブのことはよく知っているつもりでいたけれど、実際に取材してみると驚くことばかりだったと語ります。そんな小澤さんに、取材する前と後で変化した生活クラブの印象などを中心にお話を伺いました。

──小澤さんは自然環境や再生可能エネルギーなどをテーマに本を何冊も書かれていますが、子どもの頃から自然に親しんで育ったのでしょうか?

そうですね。僕の田舎には田んぼがたくさんあったので、一年中魚とりや昆虫採集をして遊びました。カエルやザリガニ、オタマジャクシもいましたね。沢山の生き物と触れ合ったことが僕の原点だと思います。

──大学卒業後、出版社に就職されたそうですね。

子どもの頃から文章を書くのが好きで、本を作る仕事に憧れていたんですよ。第一志望は学生の頃から好きだった生物雑誌の編集部でしたが、その年は採用がなくて。別の出版社で10年ほどビジネス書の編集者として働きました。退社後は自然教育や環境教育の仕事をしたり、「エコロジカルウェブ」というホームページを立ち上げたり。自然や環境に関すること、そしてその魅力を子どもたちに伝える活動が中心になりました。「メダカが消える日」という僕の最初の本は、「エコロジカルウェブ」で全国から情報を集めたことがもとになっています。

──好きなこと、ずっと続けてきたことが仕事につながっているのですね。生活クラブとのご縁は編集者時代に生まれたとうかがいました。

1985年ですね。当時、石垣島の新空港建設をめぐり、地元で反対運動が起きていたんです。島の人にとって大切な生活の場でもあるサンゴ礁を埋め立てるからです。僕は自然保護への関心から、反対住民と交流するツアーに参加しました。そのツアーに生活クラブの方もいらして。僕よりけっこう年上でしたが気が合いましてね。飲みに行ったり、生活クラブ千葉が中心となって設立した手賀沼の石けん工場やエネルギーの勉強会など、生活クラブとその関連団体の見学や学習会に誘ってくださっていたんです。

──組合員だったこともあるとか。

30年近く前、調布の団地で僕たち一家も班に入れてもらいました。良質で安全な食べ物が手に入るし、子どもが小さかったので買い物に行かなくて済むのがありがたかったですね。その後、引っ越しなどがあって今は組合員ではないのですが。でも、生活クラブ北海道の市民風車を取材するなど、生活クラブの活動は折に触れ見ていました。

──生活クラブとは長いお付き合いなのですね。小澤さんの中で、本を書く前と後で生活クラブに対する印象などに変化はありましたか?

エネルギーに対する考え方や自然との付き合い方などに共感していましたし、生活クラブのことはよく知っていると思っていました。ですが、実際に取材してわかったのは、「僕が知っていたのは、生活クラブのほんの一部だった!」ということ。いや、まったく知らなかったといってもいいくらいです。

──知らなかったというのは、例えばどんなことでしょうか?

生活クラブの立ち上げの物語から、消費材一つひとつを作っていく過程などすべてです。驚かされることばかりでした。

──取材された中でとくに印象に残っていることはありますか?

最初に現場に入ったということもあり、「丹精國鶏」の生産者、秋川牧園さんの鶏舎がきれいだったことと、においがほとんどしなかったことでしょうか。また、会長の秋川實さんの「口に入るものはまちがってはいけない」という食べ物への首尾一貫した姿勢にも感銘を受けました。それは取材で出会った他の生産者の方々も同じ。みなさん動物や野菜、果物など、いのちに対する尊厳をもっていらっしゃいました。そして、もう一つは組合員の「食べて守る」という姿勢です。食べることで、農業生産を支え環境そのものを守っていく。農業生産者は自然環境を読み取る知恵を持ち、環境を維持する人たちでもあります。だから、農業を支えることで守られる自然もたくさんあるんですよ。ここ数年で一般的になった「買うことで世界を変える」という考えがあります。それをずっと前からひたむきに続けてきたのが生活クラブの組合員たちです。取材して生活クラブ組合員たちによる「食べて守る」の広がりは確実に、社会を変える力になったことを知りました。

──執筆を終えて、生活クラブに対して今どんなことを感じていらっしゃいますか。

タイトルは編集者と相談して決めたのですが、僕は「ビジョン」という言葉を入れたかった。それは、取材を通じて生活クラブを深く知るうち、生活クラブは創設から今まで、一貫してビジョンを描き、形にしてきた組織と思い至ったからです。パスチャライズド牛乳や日本初の市民風車、ワーカーズ・コレクティブという働き方など、どれも組合員の「私たちの暮らしに必要だ」という思いが始まりです。苦労や困難もあったでしょうが、けっしてあきらめない。20年や30年かけてでも組合員同士で議論を重ね、その時点でのベストを探りながら、誰かに要求するのではなく自分たちで着実に実現しています。社会には、企業や行政もやらない、だけど暮らしに必要なしくみを事業にする誰かが必要です。その新しい事業が継続することによって、やがて常識となり、行政をも動かしていく。組合員一人ひとりのビジョンと対話を重ね、そしてバトンを受け継ぎつつ、今の生活クラブが持続可能な社会づくりをも行ってきたことに感銘を受けました。

(撮影:尾崎三郎)
<プロフィール>
 小澤祥司 (おざわ しょうじ)
環境ジャーナリスト・科学ライター。1956年静岡県生まれ。東京大学農学部卒業、ビジネス系出版社勤務を経て執筆・研究活動へ。自宅で3kWの太陽光発電、240リットルの太陽熱温水器とペレットストーブを使用。 飯舘村放射能エコロジー研究会共同世話人、原子力市民委員会アドバイザー、高木仁三郎市民科学基金選考委員、トウキョウサンショウウオ研究会会員
<書誌情報>
●タイトル:『日本一 要求の多い消費者たち~非常識を常識に変え続ける生活クラブのビジョン~』
●著者:小澤 祥司(おざわ しょうじ)
●判型:四六判(ソフトカバー)208ページ
●定価:1,500円(税抜)
●出版社:株式会社ダイヤモンド社
●ISBN:978-4-478-10672-3

<目次>
はじめに 日本一要求の多い消費者が増えている
第1章  国産鶏種「はりま」にかけた思い――丹精國鶏の誕生
第2章  はじまりはびん牛乳だった――生活クラブの原点と発展
第3章  そこまでやらなきゃダメですか?――国産と安心・安全はゆずれない
第4章  消費者と生産者の立場を超えて――共感と信頼が築く対等な関係
第5章  必要な仕事は自分たちでつくる――女性たちがめざしたもうひとつの働くかたち
第6章  ここから新常識がはじまる――エネルギーと地域福祉がつくる持続可能な社会
終章   自立した地域社会をめざして

<この本に登場する主な提携生産者・関連団体など(順不同)>
 ㈱秋川牧園、新生酪農㈱、㈱平牧工房、㈱平田牧場、㈱美勢商事、雪印メグミルク㈱、長野興農㈱、 (企)ワーカーズ・コレクティブ椀もあ、NPO法人子育てワーカーズコレクティブみるく、NPO法人ワーカーズコレクティブ風車、㈱生活クラブエナジー、(社福)生活クラブ風の村、デポーすぎなみ永福
【2019年5月13日掲載】
 

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