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消費材の品質を支え、未来につなぐために 生産者と組合員が共同で行う「消費材Step Up点検」


 
2019年10月31日、組合員が「ふんわりチーズドッグ」の消費材Step Up点検のために埼玉県三郷市の㈱東京下町らぼを訪れました。
消費材Step Up点検とは、組合員が消費材(※)の生産現場を訪問し、共に決めた基準にそってきちんと作られているかを対面で点検するユニークな活動です。

組合員の率直な質問によって生産者は製造面の見直しや新たな発見をし、組合員は現場を訪れることで消費材の優れた点や生産者のこだわりなどをより深く理解できる機会となっています。そんな組合員と生産者の対話で、消費材の品質がステップアップする活動の現場を紹介します。
(※)消費材とは生活クラブで取り扱う品物のことで、その多くは組合員と生産者が協力してつくったオリジナル品です。

製造現場を点検し、生産と消費の関係を見つめる

今回の点検対象の「ふんわりチーズドッグ」の生産者は、生活クラブの菓子を数多く扱う(株)ミサワ食品、製造は(株)ミサワ食品の子会社の㈱東京下町らぼが担っています。

「ふんわりチーズドッグ」は、ワッフルのような生地でプロセスチーズをくるんだお菓子です。原料に生活クラブのホットケーキミックスや卵、アルミフリーのベーキングパウダーを使い、名前の通りふんわり焼き上げています。甘みとチーズの風味が絶妙で、子どものおやつや軽食として人気があります。


消費材Step Up点検は㈱ミサワ食品から社長の牧野裕司さん、㈱東京下町らぼから社長の三澤敏宏さんと工場長の河野芳孝さん、生活クラブ連合会から自主監査委員会の4人とオブザーバー1人、事務局1人が参加して行われました。

株式会社ミサワ食品 社長の牧野祐司さん(左) 点検を前に生産者と意見交換

点検に入る前に意見交換があり、組合員の関口さんは点検の目的について「東京下町らぼが取り組んでいる『HACCP管理手法に基づいた品質管理』を目で見て確認し、生産と消費の関係をしっかり見つめたい」と語りました。

HACCPとは「Hazard(危害)」「Analysis(分析)」「Critical(重要)」「Control(管理)」「Point(点)」という言葉の略語で、食品を製造する際に安全を確保するための管理手法です。原料の受入から製造、製品の出荷までのすべての工程で、どの段階で微生物や異物混入などが起きやすいかという危害をあらかじめ予測・分析して管理方法を定めることで、被害を未然に防ぐことができます。

社長の牧野さんからは「生活クラブとの付き合いは長く、生産者交流会などで多くの組合員とお会いしています。『消費材Step Up点検』は交流会とは異なり点検をうける立場になります。そのため緊張しますが、今後の製造管理全般に活かせるようしっかりと臨みたいです」と応えました。

手をかけ愛情込めて消費材をつくる

製造方法について説明する(株)東京下町らぼ 工場長の河野さん

工場内の製造ラインに入室するためには、衛生管理に支障をきたさないように白衣と帽子、マスクを着用し、長靴に履き替えるなど従事者と同じ服装になります。それから工場内に髪の毛やホコリなどが落ちないよう30秒間のローラー掛けをした後に、石鹸液で20秒と水洗いで10秒手を洗います。

30秒かけて丁寧に手を洗います

組合員からは「ローラー掛けと手洗いがなぜそれぞれ30秒間なのか」という質問がありました。それに対し、工場長の河野さんから「30秒間は現在の製造業界で一般的な時間です。30秒間で汚れもホコリもしっかり落とせます。30秒間ルールの導入などにより、異物混入は0件です」と答えました。


その後は、およそ1時間30分ほどかけて、「ふんわりチーズドッグ」の製造工程を点検しました。生産工程には手間をかけた作業が多く見受けられました。一般的に、加工品を製造する際は水分と油分が分離しないよう乳化剤を使用します。「ふんわりチーズドッグ」は乳化剤不使用のため、原料が滑らかで均一に混ざるように撹拌機の羽を1本追加し、2本で動かしています(生活クラブ用の特注品)。また、時間が経つとかき混ぜた生地が沈んだり、分離したりするので、焼成型に流す前にハンドミキサーで攪拌する場合もあるそうです。また、焼成後の生地は焼きコゲなどの端材が出やすいので、目視でしっかり除去するということでした。

他にも、チーズの裁断機は「ふんわりチーズドッグ」用の特注品であったり、裁断したチーズを一つひとつ生地に手で置いたりなど、手間ひまをかけたものづくりを確認しました。
2本の羽で動く特注品の攪拌機
裁断したチーズを手作業で挿入

安心なお菓子を届けるために、埼玉HACCP取得をめざす

生産者と膝を突き合わせて対話します。真剣な面持ちで答える工場長の河野さん(右)
 
製造工程の点検後、2時間ほど質疑応答をしました。製造ラインの清掃方法や衛生管理についての質問が中心でした。

組合員の質問に対し、工場長の河野さんから次のように説明がありました。「食品が触れる器機には合成洗剤を使わず、熱湯と一部はアルコールで毎日拭き取っています。生産のない毎週土曜日を掃除の日と決め、床は高圧洗浄機で洗い、モップで拭き、乾燥させることを徹底しています」

加えて、来春の埼玉HACCP認証の取得を目指し、工場長を中心とした推進メンバーで講習会を定期的に開催していること、講習の内容はチェックリストや朝礼を利用して現場全員に周知していること、取得に向けて必要な多数の項目を一つひとつ取り組み、知識と経験を積み重ねながらスタッフ全員で管理レベルを高めていることなどが伝えられました。

また、手洗い用の石鹸液は学校など公的機関でも多く使われているもので、成分は生活クラブの使用禁止物質になっていないことを確認しました。しかし、使用している石鹸液には皮膚に炎症を起こす可能性がある成分も含まれており、石けん(純せっけん分以外の界面活性剤を含まないもの)による手洗いとアルコール殺菌のみで十分な効果があることを伝えました。生産者は今回の指摘をしっかりと受け止め、生活クラブが推奨する石けんに変更できるよう検討することを約束しました。
その他にも、今回の現地点検では、さらに期待することや検討してほしいことを幾つか生産者に伝えました。

組合員と生産者が手を取り合い、消費材の品質を高め続ける

消費材Step Up点検に参加した組合員は「製造現場を見て、予想以上にHACCP管理法に取り組んでいる印象を受けました」「HACCPは、現場のスタッフ全員に浸透していないと認証を受けられない。スタッフ一人ひとりが熱意をもって取り組むチームワークの良さに感心すると共に、そういった環境で消費材が作られているのを嬉しく思いました」と述べました。

これに対し社長の牧野さんは、「生活クラブのお菓子を増やすために、小さな町工場に提携してもらっている。町工場でのHACCP管理はハードルが高いけれど、今後も努力しつづけ、安心して食べてもらえるお菓子を届けていきたいです」と抱負を語りました。

これからも生活クラブは「消費材Step Up点検」を通して、組合員と生産者が手を取り合い、消費材の品質を高め続けていきます。
 
【2019年12月3日掲載】
 

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