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ゲノム編集技術で作られた全ての飼料と飼料添加物の規制と情報開示を パブリックコメントを提出

​農林水産省は、「ゲノム編集飼料及び飼料添加物の飼料安全法上の取扱要領(案)」を作成し、パブリックコメントを募集しました。厚生労働省は10月1日から、ゲノム編集技術による食品と食品添加物について、相談と届出の受付を開始しています。飼料の取扱要領案も食品と同じく、規制は一部に留め、開発者からの届出は、開発者の自発性に任せる内容です。

生活クラブ生協連合会(本部:東京都新宿区、会員生協:33生協・1連合会、組合員数合計:約40万人)は10月10日、ゲノム編集技術の利用により作られたあらゆる飼料と飼料添加物を規制の対象とし、情報を開示することを求める意見を提出しました。

 

生活クラブ連合会が農林水産省に提出したパブリックコメント

1.すべてのゲノム編集飼料および飼料添加物に対して予防原則にもとづく規制をすべきです。
提案されている「ゲノム編集飼料及び飼料添加物の飼料安全法上の取扱要領(案)」では、「ゲノム編集技術によって得られた微生物を利用して製造された物である場合であって、その生物又は微生物の遺伝子の状況が外来の遺伝子及びその一部が残存しないことに加えて、特定の塩基配列を認識する酵素の切断等に伴う塩基の欠失、数塩基の置換、挿入、さらに結果として1~数塩基の変異が挿入される結果となるもの」を届出の対象としていますが、遺伝子組換え飼料と同じレベルの安全性審査の手続きを求めていません。2018年7月に欧州司法裁判所が示した判断に則り、予防的措置として、すべてのゲノム編集飼料および飼料添加物に安全性審査の手続きを求めるべきです。

2.すべてのゲノム編集飼料および飼料添加物の届出と情報開示を義務付けてください。
すべてのゲノム編集飼料および飼料添加物に安全性審査の手続きを求め、申請書類を開示することが最善と考えますが、それを求めず、届出に留めるのであれば、届出については下記のように考えます。

●開発者の自発的な届出に任せるのではなく、届出を義務付けてください。届出が義務であれば、届出にもとづく表示の義務化も可能になるはずです。

●届出された情報は、原則すべて公開することとし、公開しない情報については、企業秘密にかかわるものに限るなど、厳しい制限を設けてください。取扱要綱案には、「届出を行なう情報」と「公開する情報」が別々に定められています。それらを比較すると、公開される情報には、「外来遺伝子及びその一部の残存がないことの確認に関する情報」が含まれず、「確認されたDNAの変化がヒトの健康に悪影響を及ぼすおそれがないことを確認した旨」は含まれていますが、その確認に関する情報は含まれません。「届出に係る留意事項(案)」には、公開する情報について明記されていないため、公開される情報が極めて限られたものになることを危惧します。

●取扱要綱(案)では、「農林水産省へ届出を行った旨の公表がなされた品種同士又は従来品種との後代交配種」と「農林水産省へ届出を行った旨の公表がなされた品種と安全確認が終了した組換えDNA技術を利用して得られた生物との後代交配種」は、届出不要としています。遺伝子組換え技術応用食品の掛け合わせについて、厚生労働省は、事業者に対して報告を求め、公表しています(「安全性の審査を経た旨の公表がなされた品種同士の掛け合わせ品種一覧」厚生労働省医薬・生活衛生局食品基準審査課)。また、「農林水産分野におけるゲノム編集技術の利用により得られた生物の生物多様性影響に関する情報提供等の具体的な手続」では、後代系統の取扱いについて、情報の提供の要否を個別事例ごとに農林水産省に問い合わせることとし、生物の特性や生物多様性影響に変化が生ずる可能性のある場合は、情報の提供を求めることとしています。ゲノム編集飼料および飼料添加物の後代交配種についても同様に、事前相談と届出を求め、公表してください。

●日本は飼料の多くを輸入に頼っています。外国産飼料・飼料添加物には、どのように届出を求めるのでしょうか。輸入品についても実効性のある取り締まりを行なうためにも、届出は義務としてください。

●上市後の届出について、上市年月だけでなく、販売者名・商品名の届出を求め、それらの情報を公表してください。

3.商業栽培・飼育を想定し、消費者の選択権を担保するトレーサビリティ流通を確立してください。
消費者の選択の権利のためには、表示が不可欠です。ゲノム編集技術によって作られた作物や食品、飼料は、ゲノム編集によるものかどうかを最終製品から科学的に検証することが困難です。したがって、トレーサビリティ制度の確立なしには表示もできません。トレーサビリティ制度の確立に、厚生労働省のイニシアティブで取り組むためにも、意見2に書いたように届出を開発者に義務付けてください。

4.取扱要領の見直しを確実に実施してください。
取扱要綱(案)は、ゲノム編集飼料等に関する利用の実績または今後の科学的知見の充実、国際動向等を踏まえ、必要に応じて見直しを行なうこととしています。今後の実態を注意深く見守り、見直しを確実に行なってください。
以上

【2019年10月15日掲載】

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