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「三重県水産産地交流会」を開催 組合員が魚介類の一大産地を訪問し生産者と交流

アカモクの生産者と交流会に参加した組合員。

2019年7月3日~5日、組合員の代表7名が参加し「三重県水産産地交流会」が開催されました。

三重県は内湾・リアス式海岸・太平洋と変化に富む漁場に恵まれた、多様な水産物の産地です。提携生産者の「三重県漁業協同組合連合会」と「みえぎょれん販売株式会社」は、1978年から生活クラブと信頼関係を築いてきました。

水産産地交流会は、生活クラブの組合員と生産者が直接会って対話し、お互いの課題を共有することが目的です。2010年、2017年に続き3回目となる今回は、基本的な食材の「かつお節」、近年注目されている海藻「アカモク」、日常の食生活になじみ深い「海苔」「しじみ」の4生産者と交流しました。

守り続けたい、業界でも希少な一貫生産の「かつお節」

三重県志摩市の有限会社山彦鰹節は、生活クラブ消費材の「かつお細けずり」「かつお厚けずり」などを生産しています。かつお節は、魚をさばく・いぶす・けずるといった工程ごとの専門業者の分業で生産されるのが一般的ですが、山彦鰹節は魚をさばくところから製品までを一貫生産しています。その姿勢を生活クラブが高く評価、みえぎょれん販売を通じて消費材の生産が始まりました。

今年、社長に就任した2代目の山下成彦さん。新鮮な原料魚を冷凍保管し注文に合わせてさばきます。

社長の山下さんが製造現場を案内してくれました。組合員は、かつおを茹でた後に骨を抜く作業を見学しました。「息を止めろ」と言われるほど集中する骨抜きの作業は、見ているだけでも緊張する空気が漂っていました。いぶし途中のかつおを試食した組合員からは「旨みが詰まっていて、この状態でも充分おいしい!」と驚きの声が上がりました。質の良いかつおを使っていることがよくわかります。その後、いぶしやカビ付けなどの工程を経て、2カ月ほどかけてやっと「かつお本枯れ節」が出来上がります。
 
薪でいぶして冷やす、を約2週間かけて繰り返す「焙乾(ばいかん)」

山下さんからは、「かつお厚けずり」などの利用が年々減少しているというお話がありました。さまざまな調味用の製品が普及したことで、家庭の台所で素材から出汁(だし)を取ることが減ったせいかもしれません。出汁(だし)は「うま味」の代表格。食材本来の味を理解する味覚の豊かさを育てるためにも、大人だけでなく子どもたちにこそ、小さいうちから知ってほしい味わいです。組合員からは、食べる側としても伝統食材のかつお節を大切にしたい気持ちを伝えました。

ミネラル豊富な海藻「アカモク」

同じ志摩市内で「アカモク」の加工場も視察しました。アカモクは昔から地域ではよく獲れる海藻ですが、漁の網などに絡まることもあり厄介者扱いされていました。ところが近年、ミネラルや食物繊維などが豊富な「スーパーフード」としてマスコミで紹介されて注目が集まり、2018年から生活クラブでも消費材の品目に加わりました。

加工場では、アカモクをボイルして葉の部分だけをカットする工程を見学しました。ゆで加減を調整し、茎を取り除くことで風味も食感も良く、食べやすく仕上がります。よく獲れるアカモクは、産地を支える次世代の漁業資源としても注目されています。また、参加した組合員の中にも初めて食べた人がいるほど、消費地の側でも今後の普及が期待できます。
 
機械で細かくし、なめらかな食感に。

生産現場の厳しい現状を知った「海苔」「しじみ」

伊勢市にある「みえぎょれん販売」の工場では、焼き海苔の製造工程を視察しました。近年、海苔は生産者の高齢化や後継者不足に加えて、温暖化の影響で生産量が減り続けています。食べ方のバリエーションを提案し、食卓で海苔をもっと活かしてほしいという思いから、これまでのイメージとは違ったおいしさを生み出す「極細カット」のきざみ海苔の提案もありました。

木曽川・長良川・揖斐川の木曽三川の河口付近に位置する赤須賀漁協では、しじみ漁から加工作業までを視察しました。赤須賀漁協ではしじみの漁獲量が一時激減し、生活クラブでも供給を休んでいた時期がありました。2017年から再開しましたが、生産量は現在も厳しい状況が続いています。赤須賀漁協では、年間の漁獲許容量を定めるなど、しじみの生産を維持する対策にも取り組んでいます。獲れたものをきちんと消費することが、水産資源を守り生産者を支える力になることを確認しました。

棒の先のカゴで川底をさらうしじみ漁は、体力も技術も必要です。

次の世代にも伝えたい素材本来のおいしさと食文化

交流会に参加した生活クラブ都市生活(兵庫県)の濱田尚美さんは「かつお節の山彦さんでは、2代目の山下さんが伝統を受け継ぐ姿を見るとともに、ふだん食べているかつお節がこんなにも丁寧に作られていることを知り、ありがたさが増しました。他の生産者でも、世代交代を進めたり若い方が工場で頑張っていたり、たくさんのエネルギーをいただきました。加工されたものこそ生産者との信頼関係が大切ということを周りの人たちに伝え、きちんと食べる姿勢を広めていきたい」と話しています。

今回の水産地交流会では、厳しい現状の中でも漁業を続ける生産者の意欲や工夫を知ることができました。生産現場を視察した4つの食材は、どれも日常的に素材のおいしさを味わえるものばかり。生活クラブは、これからも魚介・海藻類などの利用をひろげ、素材本来のおいしさと食文化の大切さを伝えていきます。
 
【2019年7月27日掲載】
 

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