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ビオサポ「美食百彩」シリーズで、シニアライフをいきいきと

「食べもの半分、食べ方半分」をキーワードに、生活クラブ連合会と会員単協が連携し、進めてきた健康な食デザイン「ビオサポ」。スタートから6年目となる今年5月、高齢者向け消費材「美食百彩」シリーズがデビューした。その背景には、元気で活発な現代の高齢者の姿がある。

生活クラブ大阪で開催された学習会「ビオサポアクティブシニア(美食百彩)講座」の様子

平均寿命より健康寿命

漫画「サザエさん」(長谷川町子作、姉妹社)の新聞連載が始まったのは戦後間もない1946年。サザエさんの父、磯野波平は54歳、母、フネは50ウン歳。見た目からはもっと高齢に思えるが、47年の日本人の平均寿命が男性50・06歳、女性53・96歳と聞けばうなずける。平均寿命とは死亡率がその後も変わらないと仮定し、その年に生まれた0歳児があと何年生きられるかを表す指標だ。2017年の厚生労働省の調査によれば、日本人の平均寿命は男性が81・09歳、女性が87・26歳と右肩上がりに伸びてきた。

社会の変化と共に食生活や生活環境が変わり、見た目や健康状態も変化した。長生きは喜ばしいことだが、医療費や介護費がかさむ不安もある。人生100年時代ともいわれる中、介護を受けたり寝たきりになったりせず日常生活を送ることができる期間、「健康寿命」が着目されている。問題は平均寿命との差をどう縮めるかだ。

生活クラブが食べものの使用価値だけでなく健康な食べ方にも焦点を当て活動を始めたのは13年。生命を意味する「BIO」と「美を」を掛け、生命力あふれた健康な食生活を「サポート」していくとの思いを込めてビオサポと名付けた。特定の食品を食べれば、あるいは食べなければ健康になれるといった風潮への問題提起でもあった。

「当初は子育て世代の利用を意識していました」と話すのは、生活クラブ連合会事業本部でビオサポ部門を担当する猪狩裕子さん。運動と事業を持続可能にしていくため、調理技術や家計のやりくりを含め、若い世代に「健康な食」のバトンを渡していきたいとの思いがあったという。

「一方で、高齢者向けの消費材開発を望む声はかなり以前からありました」とも。長年、消費材を利用してきたシニア世代の組合員の、「これからも利用し続けたい」「家族の介護に直面したとき、介護食に消費材を使いたい」という要望に応えることも大きな使命だ。

こうした環境変化を受けて、連合会では17年度より高齢者向け消費材の開発を検討し、年齢を重ねてもずっと食べ続けられる総菜として、新シリーズ「美食百彩」がデビューした。

ポイントは低栄養対策

各単協は、連合会事業本部の「健康な食」推進課が出前するビオサポ学習会を活用し、情報発信に力を入れてきた。これまでに各地で開催された学習会はのべ300回以上になる。

今年、学習会のプログラムに美食百彩をテーマとする「ビオサポアクティブシニア(美食百彩)講座」が加わった。この講座では、ライフステージ別の栄養摂取のポイントを提案している。体をつくる成長期に始まり、生活習慣病にならないような食生活に留意する成人期を経て、健康寿命を伸ばす高齢期には、タンパク質の十分な摂取や適度な運動を心がける必要があると指摘する。

年齢を重ねることで消費エネルギーは減っても、必要な栄養素の量はほとんど変わらない。加齢で基礎代謝が低下すると、体が求めるエネルギー量も減り、食欲は低下、買い物や調理がおっくうになり、食事は簡単に済ませがちになる。「メタボ対策」から「低栄養対策」へのギアチェンジ、転換点を意識する必要があるというのだ。

体を動かし筋力を保つこと、栄養バランスの良い食事をとることと共に心がけたいのは、社会的な人間関係を持つことだ。高齢者には「きょういく(今日行くところ)」と「きょうよう(今日の用事)」が大事とよく言われる。その点、生活クラブには交流会や学習会などさまざまな地域の活動があり、働く場づくりやたすけあいの仕組みもある。健康寿命を伸ばすには、こうした暮らしの道具を活用し、自らの経験や能力をその人らしく発揮して、いきいきと暮らすことが何よりも大切だ。

食、環境、福祉をつなぐ

ビオサポクラブのメンバーと共に。生活クラブ大阪常任理事、高垣智子さん(左端)

4月末、生活クラブ大阪がアクティブシニア講座を開催したところ、70人以上の組合員の参加があった。各単協の工夫でさまざまに展開されるビオサポ活動。その中でも大阪は早くから「ビオサポクラブ」を立ち上げ、地域で情報を発信する「ビオサポリーダー」を生み出してきた。ビオサポリーダーは連合会とも連携しながら独自の資料を作成、地域に出向き、ビオサポの考え方や実践のこつを伝えている。

ビオサポクラブの立ち上げに関わった生活クラブ大阪常任理事の高垣智子さんは、「これまで消費材の優位性は伝えてきたけれど、そうか! 食べ方もあるよねと納得した」と言う。「食べ方は学ばないと実践が難しい。とはいえガチガチの学習では広がらない。『知識はきちんと、実践はおおらかに』、1週間程度の幅をもって栄養バランスを取ればよいというビオサポの提案は、受け入れやすくていいなと思いました」と話す。

19年度のビオサポクラブは、これまでにビオサポ学習会の子育て支援講座で得た情報をかみ砕き、大阪の各地域で展開していく計画だ。今回のアクティブシニア講座も、受講したメンバーがまずは学習し、話し合い、大阪流に消化して、次年度は地域で展開していく予定だという。

美食百彩シリーズには、高齢者向けに新規開発した消費材のほか、高齢者の食事や介護食に向く既存の消費材も含まれる。自分で試したり、人に相談したりしながら、ライフステージや生活環境に合わせ、それぞれの考えで消費材を選び取るビオサポは、「健康の自治」と言えるかもしれない。「消費材の利用を高める、環境を守る、たすけあいをすすめる。それぞれの活動をゆるやかにつなげる力が、ビオサポにはあると思います」と高垣さんは期待する。
 
撮影/高木あつ子    文/本紙・元木知子

『生活と自治』2019年7月号「連載 生活クラブ 夢の素描(デッサン)」を転載しました。
 

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