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地震、停電……。その時、共同購入は?  生活クラブ北海道のワーカーズ

2018年9月6日未明、最大震度7が記録された「平成30年北海道胆振東部地震」が発生し、北海道全域が停電に見舞われた。札幌市内を中心に小樽市、石狩市、北広島市などを配達エリアとする、生活クラブ北海道の配送ワーカーズは、混乱のなか、組合員のもとへ「消費材」を届けた。

震度7


企業組合「ワーカーズ・コレクティブLaLaスマイル」の皆さん。左から「COCO」理事の新吾育子さん、「DO」理事の中村佐知子さん、「LaLaスマイル」代表理事の吉田陽子さん、「With」理事の外山善美さん。
地震の発生は9月6日木曜日の午前3時8分ごろ。その後、北海道内全域にわたる停電「ブラックアウト」が始まり、ほぼ復旧したのは2日後の9月8日だった。6日は、JR北海道の全線と札幌市営地下鉄、市電が運転を見合わせ、道内で9割超の公立学校が休校となった。また、最初の揺れのあと、7日午後5時までに震度1以上の揺れを108回観測している。

地震が起きた6日朝7時、生活クラブ北海道(本部・札幌市)は緊急事態の発生に対応し、本部業務部長の指示で各センター長が職員とワーカーズの安否確認を行い、必要に応じて自宅待機の指示を出した。

9時には事業部長、事業課長、総務課長、理事長が協議し、停電の影響を考え、安全を確認しながら配達エリアを判断し、二人体制で配達することを決めた。さらに午後1時、早期の停電復旧は見込めないことが判明したため、配達業務は午後4時頃までに終了するようにとの指示を出した。

また、停電より8時間以上が経過した正午の少し前、冷蔵庫内の温度管理ができなくなり、牛乳や冷蔵品などの配達について停止の判断をした。

ワーカーズの想い


地震発生当日の札幌市清田区の住宅街(写真提供/生活クラブ北海道)
生活クラブ北海道では、企業組合「ワーカーズ・コレクティブLaLaスマイル」が、個々の組合員宅への配達業務を請け負い、共同購入活動のサポートをしている。札幌市の手稲区、清田区、東区にある三つの配送センターを中心に、LaLaスマイルを構成する三つのワーカーズ、「DO(ドゥ)」「With(ウィズ)」「COCO(ココ)」がそれぞれのエリアを担当する。

6日も停電のなか、ワーカーズは職員と協力しながら組合員のもとへ消費材を運んだ。配達に出かけると、充電ができなかった携帯電話はつながらなくなり、信号機もつかず、エレベーターやチャイムも使えなくなっていた。

LaLaスマイル代表理事の吉田陽子さんは、「当日配達する消費材は、もう各センターに届いていました。それを目の前にして、なんとかこれを組合員のもとへ届けたいという気持ちが大きくなったんです」と振り返る。

札幌市手稲区にある第1センターの配送エリアを担当する「DO」の中村佐知子さんは、人数も時間も限られたなかでの配達だったという。当日予定していたコースのうち、高層マンションが多く交通量も多いエリアは後日配達すると判断した。「届けられるところはできるだけ効率よく回れるように考え、一軒でも多くの組合員宅へ荷物をおろしたいという気持ちでいっぱいでした」

「With」が荷積みする第2センターがある清田区は、住宅街で液状化現象が起こり、道路や住宅が陥没した場所もあった。「その日の担当者は全員出勤しました。けれど家族は自宅待機の人も多く、心配されながら家を出てきたんです」と外山善美さん。「配達先の90%ぐらいがマンションで、信号もつきません。危険と判断して行かないコースを決め、午後3時ぐらいに帰るようにしました」

配れなかった消費材は金曜日と土曜日に配達した。「まだ暑い季節で生鮮食品は傷んでしまい、金曜日には冷蔵品、冷凍品は配れませんでした。それでも『停電で保存できないので、他のものが届いただけでも十分うれしい』と声をかけてくれた組合員もいました」

危機管理を


札幌市東部の白石区と厚別区が当日の配達エリアだった「COCO」の新吾育子さんは、倉庫の消費材が心配でいつもより早く家を出た。配達で通るまっすぐな通りに出た時に、信号機が全くついていないのを見て、「危ない、大丈夫かな」と思ったという。しかし東区にある第3センターにはいつも通りメンバーが集まった。「配達に出発する時、『明るいうちに帰って来て』と言われましたけれど、それが消費材を配り終えなくてもいいということだとは思ってもいませんでした」と新吾さん。とにかく消費材を全部配りたかったという。マンションは階段を上り下りし、ドアをトントンとたたいて呼びかけた。センターへ戻ったのは夕方も遅くなってからだった。
組合員には感謝された。しかし今までこのような大きな災害に遭ったことがなく、「命をかけて来てくれたんですね」とかけられた言葉に考えさせられた。
「今回、事故がなく配達を終えることができましたが、そういった自覚がありませんでした。災害時、事故につながらないための判断は大事なんだと気づかされました」

4カ月がたち、LaLaスマイルの吉田さんは、「当時はがむしゃらに、とにかく配達を、と考えていました。あの地震で二日間も停電するなんて、予想もしていませんでした」と、これからの危機管理の体制を改めて考える。
「今回、幸いに事故もなく命にかかわるようなことはありませんでしたが、そういった可能性も考えなければなりませんね」

計画共同購入のすすめ

地震が発生した9月6日の朝、生活クラブ北海道の理事長、山﨑栄子さんは状況把握と対策のため、車で札幌市西区発寒にある生活クラブ本部に向かった。

途中、スーパーやコンビニには買い物をする人の長い行列ができていてびっくりしたという。棚の品物はどんどんなくなり、入店できる人数を制限し、電卓で会計をしていたコンビニもあった。「私たちは必要な食べ物や生活用品を、なくなってから買うのではなく、『計画共同購入』によって常に用意しています。今回、それがライフラインを確保していることを実感しました」と山﨑さん。「このような消費行動を維持するには、普段の共同購入を続けていくことがすごく大事だと思います」

生活クラブ北海道の、米、紙類、調理素材などの利用申し込みが前年同月よりも多い月が続いている。

生活クラブ北海道理事長の山﨑栄子さん。「普段の共同購入がとても大事です」
撮影・文/本紙・伊澤小枝子

『生活と自治』2019年3月号の記事を転載しました。

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