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生協の食材宅配【生活クラブ】
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すべては安全でおいしい牛乳のために 親から子へ、引き継がれる酪農家の思い《食をつむぐ人たち・牛乳篇①》

栃木県・那須塩原市
藤田与一さん(66歳)、藤田宗隆さん(35歳)

▼動画(約4分40秒、音声・字幕つき)
栃木県・那須塩原市で牧場を営む藤田さん一家は、親子2世代、力を合わせて、毎日、約170頭の牛から生活クラブのパスチャライズド牛乳の生乳を搾っています。
藤田与一さん(66歳)と長男の宗隆さん(35歳)。お二人の役割分担を聞いてみると……「日々の作業は、阿吽の呼吸で成り立っていますね」と、宗隆さん。

60年前、一頭のメス牛からはじまりました

観光地として有名な那須塩原市は、標高200メートル以上の高原地帯。この冷涼な気候を利用して畜産が盛んな地域でもあります。本州の中でも生乳の産出額がいちばん多いエリアで、多くの牧場があります。

ちょうど那須塩原市の中央部、標高480メートルのところに位置する牧場を切り盛りする藤田与一さん(66歳)は、この道、約46年のベテラン酪農家。約60年前、与一さんの父、本蕃(もとしげ)さんが近くの入植地で酪農を営む知り合いから一頭のメス牛を譲り受けたことから、牧場はスタートしました。

「うちは代々続いてきた農家で、もともとは葉たばこやこんにゃく、大麦なんかを作っていました。この辺りは水はけのいい土地で、水田にはあまり適さなくてね。私がちょうど6歳の頃に、父がメスの牛を一頭、引っ張って家に連れてきたのがはじまり。雑木林を開墾して牧草地にして、酪農をやるようになったんです」

4人兄弟の末っ子で長男の与一さんは、上のお姉さんたちとともに、牧場の仕事を当たり前のように手伝いながら育ちました。「牛がとにかくかわいくてね。なでてほしいと身体をあずけてくるから、みんなで大切にかわいがったなあ」と、当時を懐かしそうに振り返ります。家族みんなで牛の面倒を見るうちに徐々に頭数が増え、与一さんが農業高校を卒業する頃には17頭もの牛を飼うようになっていました。


餌やりは一日に3回。もちろん遺伝子組換え作物は使用していない飼料だ。


1頭の牛からスタートした牧場は、現在、200頭弱を飼育している。
高校卒業後は農業の専門学校に進んだ与一さんでしたが、ジャズのビッグバンドでトランペットを吹くのが忙しくなり、学業はほったらかしの時期もありました。でも、26歳で結婚し酪農の仕事に専念することを決意。それからは酪農一筋の人生を歩んできました。

牛の乳首に自分の口をつけて飲むようなつもりで

牛の搾乳(さくにゅう)は、朝と夕、1日に2回が基本です。およそ12時間の等間隔で搾乳するとミルクがきちんとたまるため、効率よく搾ることができるからです。朝の搾乳は5時半からスタート。牛たちは自分たちの寝床(放し飼いのフリーバーン牛舎)から、ゆったりとした足取りで搾乳の設備(ミルキングパーラー)に向かって歩き、一頭一頭、搾乳されます。

牛の乳房を一つひとつ丁寧に拭いて搾乳する。地道な作業だ。
ミルキングパーラーへ牛を誘導するときも、たとえば棒を使って牛を叩くなど威嚇して動かすようなことは絶対しません。「牛にストレスをかけてしまうと乳量が減り、ミルクも出にくくなることがあります。だから、牛が自由に、自然に近い形でミルクを出してくれるようにいつも気を配っています」と、宗隆さん。牛たちの様子を見ていると、とても静かでおだやかな表情をしています。整然とミルキングパーラーへ並んでいくさまが、なんともかわいらしく感じます。

牛が所定の位置に到着したら、ミルカーと呼ばれる搾乳機をセットする前に、まずはお湯で湿らせたタオルで乳房を拭きます。牛の乳房は4つに分かれていて、その一つひとつを丹念に拭いて汚れをとります。

それぞれの牛の表情を見るだけで、調子が良いかどうかがわかる。異変を感じたら、獣医さんにすぐに連絡し診てもらう。
「ひたすら乳房、分房をきれいに拭いていきます。拭きもれがないように、ていねいに、先端だけでなく乳房の根元から拭いていく。今は機械で洗浄する器具もありますが、こうやって手で拭きながらタオル越しに触って目視することで、乳房の状態もよくわかります」(宗隆さん)

乳房を拭くのに、一頭につき一枚以上のタオルを使います。毎回平均170頭もの牛になりますから、毎日の洗濯もたいへんです。家庭用の洗濯機を1日中回し続けてとうとう壊れたので、ついに業務用の洗濯機を導入したそうです。以前はペーパータオルを使ったこともありますが、きちんと拭きとれない上に紙ゴミがたくさん出てうまくいかなかったということです。

乳房を拭くタオルの入ったバケツ。タオルを絞って、乳房を丁寧に拭いていく。
実は、このタオルは生活クラブの組合員から提供されたものです。ミルクは乳房の中では無菌状態で、搾られて外に出た瞬間から、菌に汚染されないように細心の注意を払わなければなりません。ミルクを搾るときに乳房の先端が汚れていると菌が混入してしまいます。そのためにも、搾乳前に乳房を拭く作業は絶対に欠かせません。

与一さんが生活クラブに生乳を供給し始めたのは、かれこれ20年前のこと。妻の恵子さんは当時を振り返って「正直、最初は頭が痛かった」といいます。

「それまでと比べて(生活クラブは)かなり厳しい基準だったから最初は戸惑うことも多かったものです。こちらはきれいに拭いているつもりでも、菌がどこにあるかわからないんですよね。目に見えないものだから……」(恵子さん)


脈々と受け継がれる、牛の個体管理台帳。


ブルーベリーやアスパラガスの栽培から出荷までを担当。そのかたわら、飼料畑の雑草取りも。
生活クラブの自主基準が定めている生乳の総菌数は、1ミリリットルあたり30万個以下です。法令(乳等省令)の基準は400万個以下ですから、かなり厳しい基準であることがわかります。加えて、「生菌数」や「耐熱菌(72℃15秒間殺菌で死なない菌)」、「大腸菌群」の基準も独自に定めています。こうした基準をクリアするために、乳房拭きはもちろん、牛舎の掃除や搾乳機全体を徹底的に衛生管理しています。牛の健康状態のチェックも欠かせません。特に乳房炎になってしまうと致命的です。


「牛を毎日観察していれば、乳房炎になっているかどうかはすぐにわかります。乳房が硬くなるし、熱を帯びる。さわると痛がるしね。病気の牛はすぐに隔離して、獣医さんに見てもらうようにしています」(宗隆さん)


「極端な言い方だけどね、牛の乳首に自分の口をつけて飲むようなつもりで搾乳しないといけない。そうみんなに指導すると納得して、丁寧に搾乳するようになりますね」(与一さん)

牛の飼料となるデントコーンも栽培している
朝も夕も、搾乳をすべて終えるまでは3時間ほどかかります。他の時間帯には、牧草地や飼料畑での牛の飼料づくり、紙の台帳とパソコンも使う牛の個体管理、子牛の哺乳や世話などなど。これら酪農の仕事を、中国からの研修生や手伝いのスタッフと一緒に手分けして進めていきます。さらに牛のお産がはじまれば待ったなし! 牛は人間と同じで、子を産むことで初めてお乳が出るようになるので、お産は年中のことです。お産介助は夜中でも家族総出。難産のときには滑車を使ってスタッフ全員で手助けすることもあります。こうして牧場の1日は、あっという間に過ぎていくのです。

パスチャライズド牛乳

栄養バランスに優れカルシウム豊富な牛乳は、毎日摂りたい食材のひとつ。 自前の牛乳工場で、独自の衛生管理基準により搾乳される、国内トップクラスの品質の「パスチャライズド牛乳」です。

おいしさの理由のひとつはその製法にあります。 市販の牛乳の9割が、120~150度の超高温殺菌をしているので、熱に弱いたんぱく質が変性し、牛乳の持つ栄養や風味が変わってしまいます。生活クラブの「パスチャライズド牛乳」は、72度15秒間殺菌。熱による成分の変性が少なく、さらっとしてほんのり甘みのある牛乳になるのです。


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