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自然の風や日光が入る豚舎で、ひとに接するような気持ちで豚を育てていく《食をつむぐ人たち・豚肉篇②》

山形県・酒田市 株式会社 平田牧場
阿部 一道さん(46歳)  池原 彩さん(43歳)

《豚肉篇①》の動画もあわせてごらんください。
大学の農学部で家畜栄養学を学んできた池原彩さんは、就職するにあたって、今まで学んできた知識が活かせる職場を探していました。

「小さい頃から生き物が好きで農学部に進んだということもあり、動物に携わる仕事がしたいと考えていました。入社のきっかけは大学の研究室の教授の紹介です。就職氷河期でしたが、やりたいことができる会社に入れて、ラッキーだったと思っています」(池原さん)

入社してすぐに養豚の現場に配属された池原さんは、そこで豚に関する基本的なことを学んでいきます。平田牧場で農場勤務となる女性は初めて。池原さんがパイオニアとなり、その後は女性社員が配属されることも徐々に普通になっていきました。

その後、池原さんは、研究開発室で当時はまだめずらしかった「肉質を分析する」という試験研究に従事することに。そして豚の肉質が良くなることをめざし、研究に取り組む日々がはじまりました。

豚肉のおいしさについて、聞いてみました。

「豚肉は脂肪のおいしさが決め手です。ストレスを受けず、健康的に育った豚の脂はおいしいですね。3つの品種をかけ合わせ、それぞれの利点を活かした『日本の米育ち豚 平田牧場 三元豚』や中国の希少な豚を交配させた『日本の米育ち豚 平田牧場 金華豚』は、肉質が優れている上に脂身も良質な豚です。肉質分析を積み重ねる一方で、社内では試食会を開き、日常的に自社の豚肉を食べることで食味を常にチェックしています」(池原さん)


豚舎を訪れ、豚の発育状況を観察することも。


豚肉の脂肪に含まれるおいしさの成分を分析して数値化します。
●生活クラブとともに、米の給餌実験をスタート
平田牧場では、豚に与える飼料に遺伝子組み換え(GM)ではなく、収穫後の農薬も使用していないとうもろこしを原材料にしています。さらに、平田牧場では100%輸入に頼っていた飼料から、今では肥育前期に15%、肥育後期に30%を生活クラブの提携生産者がつくるお米「飼料用米」に替えて豚に与え、それを「日本の米育ち豚」と定義することにしました。

平田牧場による米の給餌実験は、30年以上前の「減反で休んでいる田んぼでつくった米を豚にあげることはできないのか?」という生活クラブ組合員の問いかけからはじまりました。本格的な取り組みがスタートしたのは、2004年に生活クラブや遊佐町と共に立ち上げた飼料用米プロジェクトからです。


現在、豚1頭を育てる飼料には約73.5kgの飼料用米が配合されています。


飼料用米を栽培する田んぼでは豚が食べるお米だという看板が掲げられている。
「庄内平野は米どころですが、お米の消費量減少などによって休耕田が増えてきています。飼料用としてのお米の需要があれば休耕田を活用できますし、そのお米を食べた豚の排泄物を堆肥とすることで、また地元の土地に還元する――そういう持続可能なサイクルが実践できるようになりました。何より飼料にお米を配合することで、豚の脂が非常に白くきれいになって雑味が減り、脂の質も非常に良くなりました」(池原さん)

平田牧場でつくられる堆肥は口コミで広がり、「分けて欲しい」と近隣の農家さんが直接頼みに来ることもあるほど人気があります。生活クラブの野菜生産者の中にも、この堆肥を使用している方がいます。安全性の高い飼料を与えられた豚の排泄物からつくられる堆肥は、やはり質が高いのでしょう。

「飼料用米の生産は2017年には約1万2,000トンに達し、2018年3月には飼料用米活用畜産物ブランド日本一コンテストで農林水産大臣賞も受賞しました。輸入穀物が高騰したり、輸入できなくなったりする場合を考え、今後はさらに飼料用米の給餌率を高めていきたいですね」(池原さん)


豚舎の横でつくられる堆肥。撹拌するだけの自然発酵で堆肥となります。


飼料用米、堆肥で地元に貢献できるのがうれしい、と池原さん。
●“安全なウインナー”が結んだ生活クラブと平田牧場との出会い
生活クラブと平田牧場には、古くからの縁があります。1965年に牛乳の共同購入からスタートした生活クラブは、1972年、ひとつの課題を抱えていました。「子どもたちに添加物を使わないウインナーを食べさせたい」という組合員からの強い要望です。

当時、ハムやウインナーなどの食肉加工品は、発色剤や化学合成添加物を多用する当たり前で、店頭では真っ赤なウインナーが主流でした。その背景には、当時の食品物流では冷蔵車が一般的ではなかったことなどがありました。

そんな「安全なウインナーがほしい」という組合員の声がきっかけで生活クラブとの提携が深まり、生活クラブの組合員に冷蔵状態での配送を担う会社も共同で設立しました。

そして1983年、一切の合成添加物を使わない「ポークウインナー」が完成。以降、ウインナーなどの加工肉はもちろん、安全でおいしい平田牧場の豚肉は、生活クラブで常に人気の定番消費材となっています。
●命を無駄にせず、丸ごといただくために
流通している輸入豚肉の大半は生後150日程度で出荷されたものです。国内の豚肉でも180日程度で出荷されますが、生活クラブの豚肉は約200日かけて出荷されます。生産効率だけを考えれば、肥育日数が少ないほど飼料も少なく豚舎も有効活用できますが、平田牧場は健康に育てることを基本に豚肉のおいしさを追求してきました。その結果、200日かけてゆったりと育てる現在の生産体系にたどり着いたといいます。

現在、平田牧場は年間約16万頭を出荷していますが、そのうち約8万頭が生活クラブで消費されています。生活クラブでは豚の1頭分の肉すべてを無駄にせず丸ごと利用するという考え方です。部位が片寄らないように消費することで価格をおさえながら、生産者と組合員との約束にもとづく「予約共同購入」を続けることで今に至っています。


徹底的に衛生管理された工場でていねいにパック詰めされます。


真空パックで届けられるので鮮度が保たれる。
出荷される1頭の体重は約107kgで、精肉はその半分以下となる約46.6kg。これを無駄なく消費するために、生活クラブでは部位別に適正な価格をつけて利用促進をはかってきました。さらに2012年からは「切り落とし」も品目に加わり、よりバランスよく消費できる体制を整えています。

豚の部位ごとの消費量や季節ごとの出荷量にはどうしてもばらつきが発生してしまうため、加工肉の原料にすることで豚肉全体の消費バランスを調整しています。ウインナーやベーコンなどは豚の肉をすべて大切に活用する役割も担っています。


塊肉を一気にスライスできる機械を使い、空気に触れる時間を少なくしている。
●素早く切り分け、真空でパッケージすることで、鮮度を保つ
平田牧場本社ミートセンターでは、豚肉の枝肉を部位ごとに手早く切り分け、パック詰めの作業を行っています。手際よく切り分けることが鮮度を保つポイント。それを真空でパッケージすることで、おいしく新鮮な豚肉が衛生的に私たちの元へ届くのです。

こうやって豚が生まれ、育ち、加工されて食卓に運ばれてくる過程をつぶさに見てくると、私たちがいただく命の尊さを強く実感せずにはいられません。多くの人の手を経て、生活クラブに届けられる平田牧場の豚肉。「いただきます」という言葉が持つ深い意味をあらためて実感し、感謝していきたいと思うのでした。


手際の良い肉さばきの様子。スタッフは自分専用の包丁、砥石を持っているという。


豚肉の生産から加工にいたるまで、さまざまなスタッフが関わっている。

日本の米育ち 平田牧場 三元豚

生活クラブは「日本の米育ち 平田牧場 三元豚」を共同購入しています。
飼料用米も与えて、ゆっくりていねいに育てられたおいしい豚肉です。

詳しくはこちらから




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