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アメリカのNON-GMトウモロコシの生産と流通を視察 GM食品表示を求める市民グループとも交流しました

▲NON-GMトウモロコシを輸出する全農グレイン社にて

NON-GMトウモロコシの生産状況の視察のため、組合員3名と提携生産者、生活クラブ連合会の担当者を含む総勢13名の視察団がアメリカへ行ってきました(9月29日~10月9日)。生活クラブの畜産物の飼料となるNON-GMトウモロコシの生産・流通に関わる方々と交流し、これからもNON-GMを買い続ける意思を明確に伝えました。さらに生産・流通の過程で分別管理が徹底していることも確認しました。また、今回の訪米では食品のGM表示を義務づける法律(州法)の制定に尽力した市民団体のメンバーと交流することもできました。
GM = Genetically Modified 遺伝子組み換え
GMO = Genetically Modified Organism 遺伝子組み換え作物
NON-GM = 遺伝子組み換えでない
NON-GMO =非遺伝子組み換え作物
【2016年11月15日掲載】

国境を超えた市民の連帯で遺伝子組み換え食品にNOを

アメリカではここ数年、GMOの問題への関心が高まっています。きっかけのひとつは、2014年制定のバーモント州独自のGM食品義務表示法です。生活クラブの視察団は、この制定運動を進めた市民グループ「GMOを知る権利連合」のみなさんと交流、意見交換をしました。

「バーモント州でGM食品義務表示法が成立した背景には、子育て世代の食への不安がありました」と「GMOを知る権利連合」のメンバーは語ります。2016年7月には連邦法でGM食品表示法が成立し、バーモント州法のGM食品義務表示法は無効になってしまいましたが、全米でGM食品表示問題が注目されたことで、食品メーカーなどの自主的なGM表示が進んだのです。メンバーは「今後NON-GM食品がさらに増えるかどうかは、消費者の理解をいかに広げていくかにかかっています」と語りました。
日本では、NON-GMトウモロコシが原料の食品用コーンスターチの需要が減っています。主にビールメーカーが発泡酒や清涼飲料水の糖分の原料として使っていましたが、ここ数年でGM不分別の原料(=GMトウモロコシを含む)に切り替わったためです。
アメリカでは市民の声の高まりからGM表示法の制定につながり、食品メーカーの態度も変わっていったということです。日本でもGM食品の問題をもっと多くの人に知らせ、適切なGM食品表示を求める声を広げ、「遺伝子組み換えでない」食品を選び続けることこそが、GM食品が浸透する社会の風向きを変えることになるはずです。今回の交流で生活クラブの選択にいっそう自信を深めることができました。
*写真上:生活クラブの視察団と「GMOを知る権利連合」のみなさん
*写真下:生活クラブのNON-GMO活動について大きな関心が集まり、日本のGM表示法の課題や、求めている表示法の内容などを報告。
NON-GMOを買い続ける約束が大切
アメリカは世界最大規模の穀物生産国ですが、NON-GMトウモロコシは栽培面積のうち、わずか1.5パーセントしか分別管理されていません。
視察団はNON-GMトウモロコシの種子を開発するパイオニア社(イリノイ州)を訪れ、「畜産飼料などに今後もNON-GMトウモロコシを使い続けます」と表明しました。これに対しパイオニア社の開発担当・ブライアンさんは「日本のNON-GMトウモロコシの需要が減るなか、生活クラブが継続利用の意思を示されたことに感謝します。みなさんとの意見交換は、開発計画を立てるうえでたいへん重要です」と語りました。
ここ数年、アメリカのトウモロコシは豊作で価格が下がっています。そのためGM種子よりも安価なNON-GM種子を購入する農家がわずかに増えています。しかし生産の過程で分別管理が徹底していないためGMと混じってしまい、NON-GMトウモロコシとして流通することはありません。
パイオニア社との意見交換を終え、視察メンバーの23区南生活クラブ・古賀雅子さんは、「流通量がわずかなNON-GMとうもろこしを今後も利用していくには、数を示して買い続ける約束をすることが大切なのだと実感しました」と述べました。
*写真上:NON-GMトウモロコシ種子の開発について説明
*写真下:パイオニア社のトウモロコシ種子開発をする畑を視察。左から生活クラブ都市生活の山下尚子さん、23区南生活クラブの古賀雅子さん、生活クラブ埼玉の木下美由紀さん

農家にNON-GMOとうもろこしの栽培の継続を要請

視察団はNON-GMトウモロコシや大豆を生産する農家とも交流しました。
イリノイ州のスペンサーさんは、所有する320ヘクタールの農場で、すべてNON-GMのトウモロコシや大豆などを栽培しています。
農地を借りて栽培を拡大したいのですが「借地料が高いので躊躇しています」ということです。

 
インディアナ州のシュミッツさんは、680ヘクタールの農場のうち、400ヘクタールでトウモロコシを栽培、残りで小麦とNON-GM大豆を二毛作しています。
しかし栽培しているトウモロコシはGMOです。「畑のまわりがGMトウモロコシのため、NON-GMを植えても交雑して安定生産できないのです」。アメリカで栽培されるトウモロコシの9割以上がGMという中で、NON-GMを栽培・管理することがいかにむずかしいかがわかります。「私たちは非常に貴重なNON-GMトウモロコシを飼料として使っていることがわかりました」と、生活クラブ埼玉の木下美由紀さんは述べています。
*写真上:スペンサーさん「畑作以外にも牛を約60頭肥育している」
*写真下:シュミッツさんは農作業を兄弟と甥の3人で行なっています

NON-GMOで重要な役割を果たすCGB社を視察

農家が栽培したNON-GMトウモロコシは、集荷会社であるCGB社に納品されます。約2,000人の農家から集荷されています。
集荷施設にトウモロコシが入る際にGM簡易検査が行なわれます。日本のNON-GMOの基準は「意図せざるGM混入率が5%以下」ですが、CGB社は混入率3.5%以下が基準です。この検査でNON-GMであることが確認されれば、専用のトラック入庫口からサイロへ移されます。
CGB社は集荷施設での分別管理だけでなく、栽培農家の研修にも力を入れています。入荷時に基準以上のGM混入があった場合は、農家とともにCGB社が原因を追究し、農家が再び出荷できるように対策を立てます。視察したイリノイ州ネイプルズの集荷施設周辺のNON-GMトウモロコシの栽培率は約15%と高く、CGB社の取り組みは農家から評価されていることがうかがわれます。
*写真:CGB社のNON-GMトウモロコシ専用のトラック入庫口について説明を受ける代表団

NON-GMOの徹底した分別管理を確認

日本へ輸出するための船積みは全農グレイン社が担います。NON-GMトウモロコシは、CGB社の各集荷施設から はしけ などで1~3週間かけて輸出施設に到着します。ここでもサンプル採取でGM検査を実施します。
「GMトウモロコシの混入があった場合、各過程でチェックすることでどこに問題があったのかトレースすることが可能になり、原因究明と再発防止に役立ちます」と、全農グレイン社の真田さんは説明します。
このように、多くの関係者の努力によってNON-GMトウモロコシが高精度で分別管理されているのです。
「どの訪問先でも『NON-GMOは需要があってこそ』という言葉を聞きました。NON-GMトウモロコシをこれからも確保するためには、食べる仲間を増やして多くの人にNON-GMOへの理解を広げることがとても大事だと思いました」と木下さんは語ります。
【2016年11月15日掲載】
 

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