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TPP交渉参加に反対する意見を政府へ提出しました

政府は、TPP交渉参加に関する説明会を128の業界団体に向けて6月17日に開催しました。また、それ以外の団体に対しても6月17日~7月17日の間、ホームページ上で意見募集を行ないました。
生活クラブ連合会は、TPP交渉参加に反対する意見を政府へ提出しました。

 

生活クラブ連合会は、6月21日の連合総会で、特別決議「TPPに反対し、NON-GMO政策を堅持します。消費と生産の持続的な連携を強め、食の安全・安心と暮らしを守りましょう。」を採択しました。
 

そして、7月16日の理事会で政府へ提出する意見書を決定し、同日にTPP政府対策本部宛に提出しました。意見書は、総論と対象分野別意見3件からなります。その全文は次のとおりです。

意見書(全文)

(全般的意見)

 日本の第一次産業の壊滅をもたらすであろう、そして東日本大震災と福島第一原子力発電所の過酷事故からの東北地域の復興をとん挫させてしまうであろうTPP交渉に、日本政府は参加すべきではありません。残念ながら交渉に参加してしまった場合、交渉撤退の判断基準を具体的に準備しておくべきです。

(対象分野別意見) (1)物品市場アクセス

 2013年4月12日、日米両政府はTPPに関する「事前協議」に関する合意文書をそれぞれ発表しました。

 日本政府が発表した「日米協議の合意の概要」によれば、「4.日本には一定の農産物、米国には一定の工業製品といった二国間貿易上のセンシティビティが両国にあることを認識しつつ、TPPにおけるルール作り及び市場アクセス交渉において緊密に共に取り組むことで一致」とあります。日本政府のこの見解は、米国政府によるプレスリリース本文の付属資料として添付されたUSTR(通商代表部)・マランティス代表代行の書簡の最後にあるリップサービス、「日本と米国は、日本には一定の農産品、米国には一定の工業製品というように、両国ともに二国間貿易上のセンシティビティが存在することを認識しつつ、TPPにおけるルール作り及び市場アクセス交渉において共に緊密に取り組んでいくことを楽しみにしています」との文言を根拠にしています。

 しかし、米国政府によるプレスリリース本文では、「高い基準を満たすための日本の準備」という項目で、「二国間協議を通じて、米国は、①日本がTPP交渉に参加するならば、現在の11か国によって交渉されている高水準の協定を実現すべく準備すること、②これに対し日本は2月22日の共同声明においても、すべての物品を交渉の対象にすること、他の交渉参加国と共に、高水準で包括的な協定を実現することを日本は明確にした」と書かれており、「センシティビティ」に関する言及は一切ありません。すなわち本文では、「TPP交渉はすべての物品が対象である」と断言されています。

 このように日米両政府の思惑がすれ違った状況のまま、TPP交渉のなかで最強の交渉相手国である米国を相手に、農産品重要5分野を関税撤廃の交渉対象から外す「除外」とするよう交渉で要請するという日本政府の方針(6月28日の主要閣僚会議で決定)の実現は、きわめて困難と言わざるを得ません。

 この危機的状況を理解するうえで参考にすべきは、韓米FTA交渉の過程と結果です。韓国政府は、日本と同じく聖域である「米」を守ることを最優先課題として交渉に臨みましたが、「米」の「除外」の決定は、交渉の最終局面まで持ち越されました。その交渉過程では米が“人質”とされ、米以外のほぼ全ての分野での米国に対する大幅な譲歩を余儀なくされました。そして、多くの犠牲を払って唯一守ったはずの米さえも、2014年には「除外」ではなくなり「再協議」の対象にされてしまうとのことです。TPP交渉参加後の日本の行く末を示しています。

 私たちは、第一次産業の壊滅をもたらすであろう、そして東日本大震災と福島第一原子力発電所の過酷事故からの東北地域の復興をとん挫させてしまうであろうTPP交渉参加に強く反対します。

(対象分野別意見) (12)金融サービス

 2013年4月12日、日米両政府はTPPに関する「事前協議」に関する合意文書をそれぞれ発表しました。日本政府が発表した「日米協議の合意の概要」では、具体的な項目として「保険」が挙げられておらず、「その他の非関税障壁」のなかの一つとして触れられているだけです。一方、米国政府によるプレスリリース本文では、具体的な項目として「保険」が立てられています。両文書を比較すれば、日本政府が意図的に争点を隠していると言わざるを得ません。

 さかのぼって4月4日に外務省から発表された2013 年「米国通商代表部(USTR)外国貿易障壁報告書」の「2.サービス障壁 (2) 保険 ウ 共済」の章で、「米国政府は、対等な競争条件を確保するため、共済が、金融庁による監督下に置かれることを含め、民間セクターのカウンターパートと同じ規制水準・監督に服することを求める。米国政府は、金融庁または他のどの省庁の規制にも服さない保険事業を有する共済に対して金融庁に監督権限を与えるという方向の進展を逆転させる動きについても引き続き懸念を有する。2005年の保険業法改正は、規制されていない共済を金融庁の監督に服することを求めることで、これを達成したであろう。しかし、日本政府は、実施を遅延し、また場合によっては実施に例外を設けてきた。」との主張がされています。

 事実、TPP交渉参加に向けた日米事前協議のなかで、すでに保険分野が「入場料」として扱われました。政府が株式を保有する日本郵政グループの事業拡大が、外資系企業の不利益になると米国政府が懸念し、簡保・郵貯の民営化を進めながら外資が占めるがん保険業界の利益を確保することが求められ、日本側は交渉参加前からこの要求に早々と屈しました。

 TPP交渉ならびに並行して継続されるであろう日米二国間交渉のなかで、USTRやアメリカ企業の出先機関である在日米国商工会議所(ACCJ)が日本に対して要求してきた、共済を保険と同じ競争環境に置くことにつながっていく恐れが強いことは明らかです。

 この危機的状況を理解するうえで参考にすべきは、韓米FTA交渉の結果です。韓米FTAの付属文書(2012年3月発効)では、「協同組合の提供するサービスに、民間保険事業者が提供する同種のサービスに適用するのと同一のルールを適用する」(付属文13のBのF)とされ、共済を保険と同じ競争環境に置くことが現実のものとなっています。

 市民の相互扶助のしくみである共済制度は、その組織を構成する人々が主体的で民主的に決めるべき問題です。東日本大震災の被災地では、多くの人々が自分たちの暮らしや地域社会の復興に向けてたすけあって暮らしており、市民の相互扶助のしくみである共済が再評価されています。私たちは共済の存続を危うくし、人々の生活と自治を阻害するTPP交渉参加に強く反対します。

(対象分野別意見) (5)TBT(貿易の技術的障害)

 6月に政府が公表した資料「TPP協定交渉について」のなかで、「交渉状況」欄に「3.GMO(遺伝子組換え作物)やそのラベリング(表示方法)、自動車についての提案はない。」とあります。しかし、日本の食の安全・安心を守る許可・表示に関する諸制度について、TPP交渉のなかで扱われていないこと(あるいはその見込み)をもって、日本の食の安全・安心は脅かされないと考えるのは早計です。TPP交渉に並行して継続されるであろう日米二国間交渉のなかで、取り扱われる恐れが強いからです。

 この危機的状況を理解するうえで参考にすべきは、韓米FTA交渉の過程と結果です。米国は、韓米FTA交渉の最終局面でその妥結条件として、2007年4月に「農業生命工学了解書」(GMO覚書)を韓国政府に対してFTA協定文案とは別に提示しました。この覚書によって、韓国政府はGMO(遺伝子組み換え作物・食品)に関する国内政策(表示制度、環境対策など)について、消費者の利益に立って改善することが実質上できなくなりました。TPP交渉参加後の日本の行く末を示しています。

 私たちは、日本の食の安全・安心を守る許可・表示に関する諸制度の改善を阻害し、改悪を促す危険性の高いTPP交渉参加に強く反対します。

以上

【2013年7月17日掲載】
 

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