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- 生活クラブのトランス脂肪酸に関する対応はどのようになっていますか?
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1.経過
(1) 『危険な油が病気を起こしている』(フィネガン博士・今村光一著 中央アート出版社)が、油脂製品中のトランス脂肪酸含有について問題指摘したことにより、国内で「食用油・マーガリン製品が危険」とするホームページ等が増加してきました。
(2) (財)日本油脂検査協会や日本マーガリン工業会は、日本での関連製品からの摂取量では安全である、との見解が出されています。しかし、アメリカでの製品への表示義務化から、国内での問い合わせが増えています。
(3) また、前記の『危険な油が病気を起こしている』には、日本の油脂製品35種類のトランス脂肪酸分析結果を掲載されています。そして、食用油・マーガリンの分析データの一つに米澤製油㈱「なたねサラダ油」のトランス脂肪酸の含有値と残留ヘキサンが検出値の記述があります。このデータを元にした情報から、組合員の問い合わせが単協に継続しています。
(4) 生活クラブ連合会ではこの間、日本生協連や(財)日本油脂検査協会、日本マーガリン工業会の見解と合わせ、なたね油・マーガリンの生産者分析データを提示していますが、問い合わせ等に対して常時対応する必要があります。
(5) 自主管理委員会加工食品部会では、「自主基準」として取り上げるかどうかの検討と合わせて、現段階での生活クラブ見解を再度整理して確認することを目的に、トランス脂肪酸に関する文献および提携先の米澤製油㈱、月島食品工業㈱の見解を確認のうえ、2004年度の部会活動として以下のようにまとめました。
2.生活クラブの見解について
(1) トランス脂肪酸を含有する食品の規制について
・ 日本では現在、トランス脂肪酸の栄養表示ないし規制は予定されていません。また、トランス脂肪酸フリーの製品(マーガリン,ファットスプレッド)は生産されていません。しかし、米国やEUの規制状況については今後注視していく必要があります。
・ このような事例の扱いとして、まず情報公開をすることが肝要と思われます。問い合わせ等に対して、文献や生活クラブ消費材のトランス脂肪酸含有率を報告します。
・ さらに、規制や表示、トランス脂肪酸フリーの消費材の開発要望が出された場合、即応できる事柄ではないこと、国内でも対応されていないこと等から、今後検討する際の参考とします。(2) 自主基準「自主管理監査制度」への適用について
・ トランス脂肪酸は原材料に由来し、添加物や加工助剤等として使用したものの残留ではなく、数値目標等を設定しても製造段階で品質管理・制御できるものではないため、現段階での自主基準値は設定しません。
・ ただし、提携生産者の「自主管理」として、個別製品(なたね油,マーガリン,フアットスプレッド,ショートニング)のトランス脂肪酸含有量(ガスクロマトグラフ法)を検査し、確認把握していることを推奨します。検査頻度は、製造工程や原料の変更時に生産者の協力を得て行います。(3) 情報開示について
・ 生活クラブ連合会が対応書類を作成し、組合員等の問合せに対して情報開示します(本報告書)。
・ 「おおぜいの自主監査」時に、(その時点での)正確な情報を提供します。(4) 今後の課題について
・ トランス脂肪酸について、“体に害がある”“摂取量が多くなく、問題ない”というように、評価が確定されたものではなく、流動的であることと認識します。同様の問題は他の脂肪酸や、最近ではアクリルアミドなどあげることができます。
・ ある特定の脂肪酸の弊害のみ取り上げることではなく、食の安全ならびにバランスのとれた食事を推奨していくことが必要となります。
・ 共同購入活動の中でなたね油やマーガリンは定評があり、こうした消費材に関する組合員要望への対応は、組織的検討をふまえて対応する必要があります。
・ 今回のトランス脂肪酸の取扱いは、新たな知見が出て来た段階で以下のような課題を検討のうえ対応します。
課題:製品表示の仕方、自主管理監査制度における自主基準化や検査基準のあり方、製品表示や機関会議での情報開示(含有量データ等)。
3.生活クラブのなたね油・マーガリンに含有するトランス脂肪酸について
(1)なたね油・マーガリン類の製造段階で、トランス脂肪酸の添加はありませんが、以下の理由でトランス脂肪酸が生成され製品に含有していることを確認しています。
・ なたねには、本来トランス脂肪酸は含まれていませんが、脱臭工程の際に加熱するためにトランス脂肪酸が発生します。なたねは不飽和脂肪酸が多く、他の油脂に比較してトランス脂肪酸は発生しやすいとされています。
・ マーガリン原料である硬化油の製造時に、油脂に水素をつけて硬化させる際に発生します。マーガリンの含有量はこの硬化油の配合量によって水準が決まります。
月島食品工業㈱では、製品マーガリンのトランス酸含有量を5%以下を管理目標としています。(2) トランス脂肪酸は、あえて添加しているものではないため、生活クラブ連合会では排除することが必要かどうかについて方針化していません(例えば、魚のこげ成分などと同様)。トランス脂肪酸自体の危険性についても、油脂摂取量が少ない日本人の場合では、日本人が自然から摂取する範囲では問題ないとされています。
*(財)日本食品油脂検査協会(2004年5月)データでは、成人一日のトランス脂肪酸摂取量、アメリカ5.8g、日本1.56gとされている。
(3) なたね油・マーガリン類のトランス脂肪酸含有量について
1.米澤製油(株)のなたね油国産ブレンドなたね油 なたね油 なたねサラダ油 無添加なたねサラダ油 ★無添加なたねサラダ油
製 造日
.............H16.9.3 H15.9.9.. H15.9.9... H11.2.10 H10年6~8月『危険な油が病気を起こしている』記載 トランス酸 0.9% 1.6% 1.4% 1.25% 8.5%..... ヘキサン 検出せず(検出限界2.0ppm).... 3 ppm 検査法 ガスクロマトグラフ法 ガスクロマトグラフ法 ガスクロマトグラフ法 ガスクロマトグラフ法 不明 検査場所 (財)日本油脂検査協会 (財)日本油脂検査協会 (財)日本油脂検査 (財)日本食品分析センター SGS研究所 イ.米澤製油㈱のなたね油について:なたねには本来トランス脂肪酸は含まれていませんが、脱臭工程の加熱でトランス脂肪酸が発生します。なたねは不飽和脂肪酸が多いため、他の油脂に比較してトランス脂肪酸は発生しやすいとされています。
ロ.トランス脂肪酸の検査法:赤外線分析とガスクロマトグラフ法があり、検査法によりヘキサン溶剤を使用する場合があります。
ハ.『危険な油が病気を起こしている』掲載の分析データでは、米澤製油㈱「無添加なたねサラダ油」となってますが、ヘキサンも検出されています。米澤製油㈱の搾油方法は、圧搾法であり、ノルマルヘキサン溶剤抽出は行なっていません。当時、米澤製油㈱よりこの分析データについて、サンプリングの適性を翻訳者に問い合わせていますが、検査法も含めて不明の状況です。
ニ.脱臭工程の加熱温度で、260度相当でトランス脂肪酸の発生が知られています。当時、米澤製油㈱では250度で加熱していたことから、トランス脂肪酸が高くなる原因と考えられています。その後、99年8月、現在の220度・90分を管理温度とすることで、現状の0.9~1.6%は他社製品と比較しても低い水準で推移しています。
ホ.米澤製油㈱のトランス脂肪酸含有率は、日本食品分析センターの分析では0.9~1.6%(0.9~1.6g/100g)、前記本の記載とは異なりました。また、米澤製油㈱では、市販のなたね油も同様の脱臭工程を経るため、他社製品に比較してとりわけ多いとは思われない、との見解です。
2.月島食品工業(株)のマーガリン類製品名 マーガリン ファットスプレッド マーガリン(業務用) ショートニング(業務用) パイチップロイヤル GM対策済 GM対策済 加工食品用原料
GM対策済加工食品用原料
GM対策済パイシート・ホットパイ用原料 トランス脂肪酸含量 1.4% 1.4% 2.2% 2.7% 3.0% C16:1 - 0.60% - 0.10% 0.20% C18:1 1.10% 0.30% 1.80% 1.90% 2.50% C18:2 0.30% 0.10% 0.30% 0.60% 0.20% C20:1 - 0.10% 0.10% 0.10% 0.10% 飽和脂肪酸含量 未測定 25.1% 38.0% 38.0% 44.6% 検査方法 ガスクロマトグラフ法(g/100g) ガスクロマトグラフ法(g/100g) ガスクロマトグラフ法(g/100g) ガスクロマトグラフ法(g/100g) ガスクロマトグラフ法(g/100g) 検査場所 (財)日本食品油脂検査協会 同左 同左 同左 同左 実施時期 2007年7月10日 2005年2月17日 2005年2月17日 2005年2月17日 2005年2月17日 イ.トランス脂肪酸は添加していませんが、(マーガリン原料の)硬化油の製造時に油脂に水素をつけて硬化させる際に発生します。マーガリンでの含有量はこの硬化油の配合量に準じ、月島食品工業(株)では「トランス酸含量5%以下」を管理目標としています。
ロ.月島食品工業㈱の調べでは、上記のような水準にあり、市販マーガリンに比較して低い水準にあります。これは、遺伝子組み換え対策として油脂原料をパーム由来に切り替えてきたことが、結果的にトランス酸含量を引き下げている理由によります。