HOME > 生活クラブ生協連合会のご案内 > メディア紹介 > メディア紹介詳細

メディア紹介/メディア紹介一覧へ

2008年10月17日:朝日新聞

私たち瓶リユース派

リサイクルよりエコ 回収に脚光

 かつて、牛乳やビールの瓶を店に返却すると、「瓶代」がもらえた。数本を持って行き、お小遣いにした思い出のある人もいるはず。小売りの主流がスーパーやコンビニエンスストアになり、この制度が下火になって久しい。しかし、今、リユース(再使用)の一環として、環境保全の観点から見直されている。(柏崎歓)

  「この瓶、どこかに返すんだよな」 「お金戻ってくるんだよ」。千葉市にある千葉大学西千葉キャンパスの大学生協。水滴のような形のジュースの瓶を手に、学生たちがそんな会話を交わしていた。

おしゃれ若者用 「Rドロップス」流通のしくみ

「Rドロップス」流通のしくみ

 

 瓶の側面には「R」のマーク。回収・洗浄して中身を詰め直し、繰り返し使う「リターナブル瓶」だ。空き瓶を店舗の回収コーナーに持ち込むと、引き換えに「デポジット預かり金)」の30円が戻ってくる。
 若い人たちにおしゃれに持ち歩いてもらおうと、堺市の「生活協同組合連合会きらり」など関西や首都圏、九州の生協6団体でつくる「びん再使用ネットワーク」 (事務局・東京)が考案し、「Rドロップス」と名付けた。30円程度の「デポジット」を上乗せして、飲料を販売し、瓶を戻すとデポジットを返金。瓶は業者が洗浄し、再びメーカーに納品される仕組みだ=図。
 容量300mlで高さ約19cm、重さ175g。開発プロジェクトに加わった学生たちの、「環境にやさしいとはいっても、あんまり重いと持ち歩きたくない」との声を採り入れ、軽量化にこだわった。しかし、表面に特殊なコーティングを施し、40回ぐらい再使用を繰り返してもこわれない強度に設計されている。使い捨てのペットボトルと比較すると、2.5回以上のリユースで瓶の製造などに伴う二酸化炭素の排出量が少なくなるという。
 首都圏3大学の大学生協が今年1月、この瓶に入った信州ブドウのジュースを試験販売した。千葉大では3日間で売った300本のうち214本が戻った。同ネットワークは「学生たちはキャンパスを中心に生活しているので、定着すれば返却 率は高くなる」として、飲料メーカーに採用を呼びかけている。

目印はハート形
  京都市が事業者などとつくる「市ごみ減量推進会議」は2年前、瓶に貼る「リユースマーク」のシールをつくった。3本の矢印をつないでハートの形を描き、「循環」のイメージをデザイン化している。「一目見てリユース対象の瓶で あることを消費者が分かることがまず必要なんです」と同会議の遠藤明子理事は話す。
 これまでの発行枚数は4万枚。市はスーパーなど市内約50カ所に回収用のボックスを設置し、酒屋の協力も得ながら回収システムの普及を図っているが、どんな瓶でも再使用できると思っている人もまだ多く、リユースできない「雑瓶」が多く混ざるのが悩みの種だ。推進会議に参加しているNPO法人「木野環境」は、ボックスにリユースのわかりやすい説明や雑瓶の混入率を目立つように表示するなどの対策を検討中で、11月半ばには新型のボックスを市内のスーパーに試験設置する。

「地サイダー」も
 飲料メーカーでつくる全国清涼飲料協同組合連合会(東京)は昨年秋、近年人気が高まっている「地サイダー」用のリターナブル瓶を開発した。同会の久保田潔さんは「地サイダーは狭い地域で流通するものが多く、リユースに適しているはず」と話す。
 兵庫・有馬の温泉街を中心に販売されている「ありまサイダー」も、今年6月からこの瓶を使い始めた。観光客が飲み終えて店頭に置いていった瓶を再使用するため地元を中心に使用し、遠隔地への出荷分には従来の瓶を併用している。

ペットボトルでも試み
 ペットボトルを再使用しようという試みもある。
Rドロップスのプロジェクトにも参加したパルシステム生活協同組合連合会(東京)は07年9月から08年5月にかけて、使用済みのペットボトルを回収して再使用する実証実験をした。環境省も今年8月から、首都圏の百貨店などでペットボトルの再使用を試験実施している。
 瓶より軽く消費者にもなじみが深いため、飲料容器のリユースの「主役」に躍り出る可能性もあるが、においや傷がつきやすいなど、課題もあり、実用化はまだ未知数だ。大阪府柏原市の市民団体「Rびんプロジェクト」の西村優子代表も「最悪の場合、樹脂に有害物質が残る可能性もあるのでは。安全が実用化の大前提だ」と指摘する。
 リユースの取り組みに詳しい京都市のNPO法人「環境市民」事務局長の掘孝弘さんは「そもそも、リサイクルよりリユースのはうが環境負荷が少ないということがまだあまり理解されていない。消費者やメーカーの意識が徐々に変わることに期待したい」と話している。

↑page top