ビオサポだより 市販の清涼飲料水と砂糖の甘い関係

第21回

市販の清涼飲料水と砂糖の甘い関係

ここ最近、だんだんと蒸し暑くなってきましたね。
テレビでも「熱中症予防」という言葉を耳にするようになりました。
熱中症予防というと、みなさん何を思い浮かべますか?

そう、ズバリ!水分を摂ること・・ですよね!!

自分の身体を守るため、水分をしっかり摂ることはとても大切なことなのですが、市販の清涼飲料水で水分補給をしていると思わぬ問題も!

今回は市販の清涼飲料水の飲み過ぎの問題点をお伝えします。

清涼飲料水をたくさん飲んでいると、砂糖の摂りすぎになっている場合があります。
まずは、砂糖の栄養学的な面から書きたいと思います。砂糖は「ぶどう糖」と「果糖」がくっついてできています。このうちぶどう糖は、主食となるごはんやパンなどにデンプンとして多く含まれています。(ぶどう糖がたくさん繋がるとデンプンになります。)
脳・神経組織・赤血球・腎尿細管・精巣は、このぶどう糖しかエネルギー源として利用できません。特に注目していただきたいのは脳です。脳は、ぶどう糖が唯一の栄養源なのです。

さて、砂糖を構成する糖のうちのもう一つの果糖。
ぶどう糖しか利用できない脳などの体組織以外の筋肉などは、果糖をエネルギー源として使うことができます。でも、エネルギーとして使用されなかった果糖は脂肪になって蓄積されてしまいます!
果糖について、『日本人の食事摂取基準2010』では、「果糖の摂りすぎは、循環器疾患への好ましくない影響が危惧されている」としています。また、「欧米諸国では、果糖を50% 以上含む清涼飲料水の摂取と肥満との関連を示す報告もされている」と記されています。(*1

また、『日本人の食事摂取基準2010』には「WHO は甘味料として添加した糖の摂取量について、総エネルギー摂取量の10% を超えないように推奨している」と記されています。(*1
これに基づくと、例えば1日の摂取カロリーが2000kcalの人だとしたら、1日50gの糖分の摂取が上限値になります。
清涼飲料水はそれほど甘味を感じなくても500mlで上限値の50g程度の砂糖を使用していることが多いので注意が必要です。

下の表をご覧ください。この表は、「市販加工食品成分表」と言って、市販の食品の栄養成分や原料表示などが掲載されている成分表からの抜粋です。

まずコーラには100gあたり10.8gの炭水化物が含まれていることに注目してください。表示は炭水化物ですが、清涼飲料水の炭水化物はお米のようなデンプンではなく、砂糖と果糖ブドウ糖液糖です。コーラを500 mlのペットボトル1本飲むと、もうそれだけで50gの糖分を摂ってしまうことになります。
また、果糖ブドウ糖液糖は砂糖より安価で、市販の清涼飲料水で多く使用されていますが、遺伝子組み換え作物から製造されている場合もあります。

一方、ダイエットコーラなど「カロリーゼロ」と書かれている市販の清涼飲料水には、砂糖や液糖は使用していませんが、甘味をつけるために合成甘味料を使用していることが表示でわかります。
たとえば、砂糖の200倍の甘さのアスパルテーム。
砂糖を加工して合成される、砂糖より約600倍の甘さのスクラロース、ここ数年に普及してきた新しい甘味料で、アスパルテームと同等の甘さのアセスルファムカリウムなど、合成甘味料にはいろいろな種類があります。

アスパルテームにはアミノ酸の1種の「L-フェニルアラニン」が含まれ、この物質を代謝できないフェニルケトン尿症の子どもが摂取すると、脳に障害が起こる恐れがあるとされています。
また、ダイエットコーラに保存料として表示されている安息香酸ナトリウムは、細菌やカビなどの増殖を抑える働きがあり、腐敗を防ぐために添加されていますが、体内でビタミンCと反応し、発がん物質である「ベンゼン」を生成すると言われています。ベンゼンは国際がん研究機関(IARC)が「ヒトに対する発がん性が認められる」とする物質で、イギリスでは、ベンゼンが検出されたドリンク4製品が販売停止になりました。(*2

合成甘味料は少量でも強い甘味を作れるので、食品メーカーはコスト削減のために以前から使用しています。
低カロリーやカロリーゼロの商品が健康ブームで注目されてきたことによって、「安心して」甘い飲料を食事の中に取り入れてしまう家庭も多くなってきているのではないでしょうか?また、その他の着色料、添加物も心配ですね。
食育の観点からも、甘い飲料を食卓に出すことについては、考えてみなければならない問題だと思います。

いかがでしたか?
暑いからと言って、自動販売機やコンビニで清涼飲料水ばかりを購入していると、健康にも影響がでてきます。家庭でつくった麦茶などを携帯用のポットに入れて持参するなどすれば、お金も節約できますよね。暑い夏だからこそ、健康に気を使った水分補給を心がけたいと思います。


(*1)日本人の食事摂取基準2010 炭水化物の110P
http://www.mhlw.go.jp/shingi/2009/05/s0529-4.html

(*2)参考資料「知ってて良かった!添加物のはなし」
http://www.seikatsuclub.coop/safe/food_additive_guide.html