ビオサポだより

第129回

意外なほんとの話…「高齢者の低栄養」

 

 「少食です」とか「お肉はあまり食べない」と聞くと、ダイエットに興味があったりスリムな体に憧れがある現代人は「私もそんな健康的な食生活したい!」と思っちゃいますよね。
 でも、こと高齢者の話となると、「少食でお肉はあまり食べない」は、健康的とも言い切れないようです。実は「高齢者の低栄養」が、高齢化が進む日本でちょっと見過ごせない問題になってきているって知ってましたか?私(ビオサポ助っ人・W)も実家に高齢の父がいるので、気になるトピックです…!

高齢になり食事が偏ると「低栄養」になることも

 今、日本人の平均寿命は男性80.98歳、女性87.14歳(平成28年の厚生労働省のデータより)!世界でもトップクラス、堂々たるものです。ただ、ずっと健康なまま歳をとっていけたらいいんですが、現実にはなかなかそうもいかないもの。体のあちこちに不調が出てきたり、若いときほど動けなくなってきたり、年齢とともに変化が出てくるのはある程度仕方のないことですよね。

 その変化のひとつに、食事も挙げられます。高齢者の場合、食事の量が少なくなって、あっさりしたものを好むようになることが多いですよね。肉料理をがっつり食べるなんてこともだんだん減ってきます。(まだ老人には足を踏み入れていない、中年の私でもそうです!)それだけならいいのですが、その結果、食事に偏りが生じやすいというのが問題。偏った食生活を長く続けると、「低栄養」つまり、健康的に生きるために必要な量の栄養素が摂れていない状態になってしまうのだそうです。

高齢者の低栄養の中でも特にたんぱく質が不足しがち

 「低栄養」になる要因は、食事の好みの問題だけではありません。噛む力が弱まってくるために食事の量が減ったり噛みやすいものばかりになったりということもありますよね。足腰が弱ってくるために買い物がおっくうになるのも要因のひとつ。また、ひとり暮らしや夫婦のみなど高齢者だけの暮らしだと食事が簡素になりがちなので、栄養素が不足するということもあるようです。高齢者の場合、ごはんやパンなどの炭水化物は摂れているものの、たんぱく質が十分に摂れていない例が多いそうです。

 たんぱく質は、筋肉をはじめ体のあらゆる部分をつくるのに欠かせない栄養素。成長期の子どものようにグングン成長することはないにせよ、高齢者でも筋肉や体を維持していくための栄養素は必要です。低栄養になりたんぱく質の摂取量が不足すると、筋肉量が減少したり筋力が低下したりしてしまいます。(加齢に伴う筋力の低下、または老化に伴う筋肉量の減少は「サルコペニア」と呼ばれるそうです!)筋肉が減り筋力が弱ると、立ったり歩いたり何かをつかんだりといった日常の生活機能が低下し、転倒・骨折のリスクが増えてしまうことも。そうなるとますます活力や食欲が減退して、栄養不足に拍車がかかる、という悪循環になりかねません。

良質なたんぱく質を意識して摂りましょう

 高齢の方は、「以前に比べ動かなくなってるからそんなに食べる必要もないし…」「年をとるとお腹もすかないし…」と言うことがよくありますよね。でもそんなときこそ用心。量はたくさんでなくても、ちゃんとバランスのとれた食事を摂っているか、おにぎりや菓子パンだけで済ませてしまっていないか、肉・魚・卵・乳製品などのたんぱく質は摂っているか、本人はもちろん、まわりの人もちょっと気にしてみるといいかもしれませんね。

 たんぱく質を摂取できる食材としては、卵は高齢者の食事にも取り入れやすく、価格も手頃で良質のたんぱく源なのでおすすめです。さばやまぐろなどの缶詰も、ストックしておけばいつでも手軽に食べることができるので便利なたんぱく源。「高齢だから肉は必要ない」という思い込みも捨てて、肉類もぜひ食生活に取り入れていきましょう。

 高齢化が進む日本、栄養や食事のことにも気を配りながら、多くの高齢者がなるべく健康に年をとっていけるといいですよね。ちなみに私の実家の父はもう八十歳になるのですが、週3回はジムに行っていて、足を鍛えるマシンで百何キロだかのおもりを上げられるんだとこのあいだも自慢していたので、運動不足の私よりも筋力があるかもしれません… (´▽`;) 今度会ったとき、普段の食生活のことも話題にしてみようと思います!