【数字でみる生活クラブ】 削減した合成界面活性剤

削減した合成界面活性剤(LAS、AE)の量は、137トン

生活クラブでは合成洗剤は扱っていません。環境に負担をかけたり、健康に不安があるからです。生活クラブの組合員が、洗濯や台所、お風呂で1年間に使った石けんの量から、合成洗剤(LAS、AE)の削減量を推定すると、2010年度のせっけん類実績から、年間の想定削減量は約137トンに相当します。

 1999年に公布されたPRTR法は、10万種以上といわれる化学物質の中から、有害で環境汚染がある化学物質を354種選び出して、企業にその扱いを管理し環境中に排出する量を毎年届出することを原則義務付けました。その354種のなかには、ダイオキシンや重金属類、125種の農薬成分などと並んで、6種類の合成洗剤成分(LAS、AO、DAC、AE、OPE、NPE)が含まれています。また、届出だけでは日本全体の現状を把握できないので、国が届出外の排出量を推計するように定められています。

  1. LAS=直鎖アルキルベンゼンスルホン酸 及び塩
  2. AO=N,N-ジメチルラウリルアミン=N-オキシド
  3. DAC=ビス(水素化牛脂)ジメチルアンモニウムクロライド
  4. AE=ポリ(オキシエチレン)アルキルエーテル
  5. OPE=ポリ(オキシエチレン)オクチルフェニルエーテル
  6. NPE=ポリ(オキシエチレン)ノニルフェニルエーテル

 家庭からのPRTR指定有害化学物質の2009年環境排出量は、合成洗剤成分AEが22,506トン(43%)で最も多く、次が衣類の防虫剤のp-ジクロロベンゼンで年間11,925トン(22%)でした。続いて合成洗剤のLASが10,889トン(20%)でした。
 家庭で合成洗剤とp-ジクロロベンゼンの防虫剤を使用しないことによって、家庭から排出されるPRTR法指定物質のほとんどを削減出来ます。家庭で合成洗剤の使用を止めてせっけんを使う必要はここにあります。

 合成洗剤メーカーは、かつて日本中の河川を泡だらけにした合成洗剤成分ABSを改良型のLASに置き換えたり、琵琶湖の富栄養化問題に無リン化洗剤を投入したりと対応を重ねてきています。しかし、合成洗剤は自然に存在しない化学薬品であることに変わりはなく、その強力な界面活性剤作用による生態毒性は、合成洗剤の本質的な問題です。近年は、合成洗剤の殺菌力をもことさらに宣伝して、売りあげを伸ばそうとしています。
 一方、せっけんは、5千年も前から使用されつづけてきた洗浄剤です。その実績がその安全の証しです。排水されて皮や海に出ると、せっけんカスに変化して、すみやかに洗浄力と毒性を失い、生き物にエサとして捕食吸収されます。『せっけん排水はBOD(生物学的酸素要求量)が高い』と批判されることがありますが、このことこそが、水中の生物がせっけんカスを栄養源として盛んに活動することを表していて、安全性のバロメータといえます。

 

PRTR制度とは?

Pollutant Release and Transfer Registerの略、「特定化学物質の環境への排出量の把握等および管理の改善に関する法律」。人の健康や生態系に有害な恐れのある化学物質について、環境への排出量、廃棄物での移動量などについて適正な管理を進めるため1999年7月公布、2001年4月施行の法律。第1種指定化学物質の取扱い業者には環境への排出量把握等が義務付けられている。アメリカ、カナダ、オランダ、イギリス等の諸外国で既に実施。

2011年8月9日 生活クラブ生協連合会

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